2018年10月6日追記

弊社代表がSEO対策について株式会社LIGよりインタビューを受けました。

https://liginc.co.jp/428267

1.「コンテンツマーケティング」とは

「いやあ、これからの時代はコンテンツマーケティングですよ」

コンテンツマーケティングという言葉の一人歩き。

「いやあ、これからの時代はコンテンツマーケティングですよ」、「今はコンテンツマーケティングをやらないと」。

ここ最近、本当に1年ほどの間に急に流行り始めた印象がある言葉です。

本記事では今回は2014年から2015年に掛けてIT業界で流行り出した「コンテンツマーケティング」について総合的に記載します。

2.コンテンツマーケティングの誕生

コンテンツマーケティングはSEOの手法の一つとして発生

SEOの一部手法としてのコンテンツマーケティングの発生

コンテンツマーケティングはSEO(検索エンジン最適化)の一方法として生まれてきました。

元々、WEBに於ける主たる集客手段は検索であり、検索からの流入を増やす方法としてSEOがあります。

SEOについての詳細は別途記事で記載するとして、そもそもコンテンツマーケティングは検索エンジンから評価を貰い、それにより検索エンジン経由の流入を増やすということから始まりました。

ただ、その時はコンテンツマーケティングという言葉では呼ばれず、サイトに掲載される記事をSEO対策するということにより、コンテンツマーケティングを成し得ていました。

「コンテンツ」をサイト内記事、「マーケティング」を販売戦略行為として捉えると理解しやすいかと思います。

コンテンツマーケティングは広義でいえば、「サイト内記事を通して販売に繋がる行為(今回の場合、販売につながる集客行為をSEO対策で成し得ている)」と言い表すことができるからです。

そこから次第に「記事のSEO対策」ではなく「コンテンツマーケティング」と呼ばれるようになっていくのですが。

なぜそうなっていったのかを説明するに当たり、押さえておかなければならないのが「ユーザーの可処分所得時間に於ける検索エンジンの低迷とSNSの台頭」です。

ユーザー可処分所得時間内での検索エンジンの低迷とSNSの台頭

2014年頃からTwitterやFacebookなどのSNSを通して著しくコンテンツが拡散されることを「バズる」と言うようになったのは記憶に新しいですが、その「バズる」の出現によってコンテンツには新しい役割が求められることになります。

そう、SNSでの拡散です。

それまでコンテンツに求められるマーケティング(集客)はSEO対策が主流でした。
それは多くの人がインターネットへのポータル(入り口)として検索エンジンをおいており、サイト側も集客元として検索エンジンが最大多数であったからです。

しかし、先述のSNSの普及により集客元の9割が検索エンジンである状況から、集客元の8割、7割、6割…が検索エンジンという状況へと変化していきました。

今これをご覧の方は、この記事へ検索経由で来たのか、SNS経由で来たのかを考えて頂ければ理解が早いでしょう。

あるいは、1日の内で検索エンジンを使っている時間とLINEやTwitter、facebookを使っている時間。
どちらが長いでしょうか?

そういった、ユーザーの自由な時間(可処分所得時間)に占める検索のシェアが低下していった中で、コンテンツは拡散という新しい要素を求められるようになっていったのです。

そして、それは同時にコンテンツに求められる価値が、大きなパラダイムシフトを迎えることを表していました。

3.コンテンツに求められる価値の変化

量から質へのパラダイムシフト

コンテンツの主な対策先が検索からSNSに移っていったのは理解して頂けたかと思いますが、それによりコンテンツに求められる価値について大きな変化が起きました。

それは何か。

それは対策をする「対象」の変化によって生まれした。

検索エンジンはクローラーがサイトをクローリングすることで情報集め、その情報を元に検索ロジックがサイトの価値を判断し検索結果を決めます。

(個人的には検索結果とはランキングだと思っているのですが、それはまた別途)

つまり、コンテンツが対策すべき対象はクローラーであり、検索ロジックであり、それは「ロボット」です。

もう、ここまで書けば勘の良い方は気が付いたと思いますが、SNSでバズることを対策する場合、コンテンツが対策すべき対象は「人間」となります。

ここに来てコンテンツは新しい価値、つまりは「ただ漫然と長いだけで中身のない文章」ではなく「読んで面白いと人間が思える文章」という「質」の価値を求められるようになったのです。

そして、それこそがコンテンツの「量から質へ」のパラダイムシフトだと言えるのです。
図12

と、ここまででSNSの台頭が「質」への転換というのはご理解頂けたと思いますが、ではなぜ検索が「量」であるといえるのかについて説明していきましょう。

検索は「量」の時代だった。

クローラーと検索ロジックはロボットであるからこその問題点がありました。

それは構造上コンテンツの評価として0点ないしはマイナス点を付けることが出来ないことです。

もちろんスパムや盗用などのコンテンツを0点ないしはマイナス点を付けることは出来ます。

しかし、スパムでもないし盗用でもないコンテンツですが、人間から見ると別段面白くないコンテンツというのを0点とすることができないのです。

スパムであれば減点できます。また素晴らしいコンテンツについてもユーザーがTwitterでリツイートしたり外部リンクが貼られたりすることで情報が集まり判断できます。

しかし、そうでないものについては情報が集まりません。

なぜなら普通ないしはそれ以下のコンテンツはそれこそ無限にあり、ユーザーがそれらのコンテンツに何らかのアクションを起こすには多すぎるからです。

そのコンテンツの「質」が普通なのか、それとも普通よりも劣っているのか。もしかして普通よりも大幅に劣っているのか。その判断をする情報が集まらないのです。
図16
情報がない以上、判断は下せません。そこでロボットはこう考えます。

「スパムではないが、素晴らしいコンテンツでもない。普通かそれ以下のコンテンツだろう。評価は1点としよう。」

全てのコンテンツが0点ではない(=少しでも点が入る)ということは、コンテンツは1個よりも10個。10個よりも1万個の方が価値が上がっていく可能性が高いことを表しています。

それはコンテンツの「量」と生み出される価値に相関関係があるということになるのです。

ロボットは人間ではないので「つまらない」という定性的な要素を完全に把握することができません。

もちろん検索エンジン有するGoogleも、それを打開するために定量的な要素で出来るだけ「つまらない」を洗い出そうとしています。

その努力の甲斐あって、もしかしたら今は限りなく人間に近い評価が出せるようになっているかもしれないのですが、それは人間に近づいているだけであって、人間の「つまらない」という気持ちを完全に理解できていることにはなりません。

実はGoogleもSNSも求めているものは同じであり、Googleは人間の評価を取り入れたくて仕方がないのです。

そこで生まれたのがGoogle+であり、その他SNSでの拡散を評価するロジックなのですが、これはまた別途。

FacebookとGoogleの攻防も長年続いていますが、Facebookのロジック変更で検索エンジンがクローリング出来る範囲が増える度に面白い駆け引きが裏では起きているのです。

1万個に勝る10個が生まれてくる時代の到来

この「量」と「質」の概念が顕著に出る例としては口コミサイトが上げられます。

では、ここにオレンジジュースについての口コミサイトが2つ有るとします。

片方は1万件の口コミを持ち、もう片方は10件の口コミしか持っていないとします。
(オレンジジュースだけで1万件の口コミが集まるかは疑問ですが、今回は便宜上そうします。)

普通に考えれば1万件の口コミサイトの方が価値が高そうですが、実は10件の口コミサイトはオレンジジュース研究家が書いた大変読み応えもあり感動を呼び起こす口コミです。

しかし、もしあなたが検索エンジンで「オレンジジュース 口コミ」と検索すると1万件の口コミサイトの方が上位に表示されるのは、ほぼ間違いないでしょう。

仮に、その10件の口コミが1万件の口コミサイトに載っている全ての口コミよりも100万倍くらい素晴らしい口コミだったとしても、検索結果の順位は変えられないのです。

では、もしもその素晴らしい10件の口コミを見たのが人間だったら、どうでしょうか?

恐らくそんなに素晴らしい口コミなのですから、それを見た人が更にリツイートやシェアしていくのも十分に起こりえるでしょう。

1万件の口コミの100万倍素晴らしい口コミだとすると、下手をすると日本人全員に、むしろ世界中の人に届くかもしれません。

1万個のコンテンツよりも10個のスペシャルなコンテンツの方が評価される世界。

それがSNSが生み出したコンテンツの新しい評価の形であり、「量から質へのパラダイムシフト」といえるのです。

図12

「量」と「質」のコンテンツに対する値段の付け方の違い

コンテンツにおける量と質については、値段の付け方に顕著な差が出ます。

例えば、大手アウトソーシングプラットフォームなどを見ると1文字◯円というように、文字数に対して値段が付いていることが見て取れるでしょう。

これは、SEOが「量」に依存し、1件の記事よりも1万件の記事の方が価値があるからであり、文字数とそれにより生み出される価値の間に相関関係が有るからです。

1件の記事よりも1万件の記事の方がSEO効果が高いのですから、金額が増えるということにも納得感があるでしょう。

では例えば、コピーライティングは、どうでしょうか。
果たしてキャッチコピーを作った時に1文字◯円という値付けをするでしょうか。

いいえ、キャッチコピーは1個◯円という値付けをします。
つまり、これは「質」に値段が付いていることを表しています。

質の概念からいくと、別に文字数が増えても内容が面白くなければSNS等で拡散されないわけであり、その場合に文字数は成果と相関関係があるかと言われれば必ずしもそうでないのはご理解頂けるでしょう。

キャッチコピーというコンテンツは質に比例して、値段が上がっていくのです。

この「量から質へのパラダイムシフト」はインターネット上にある検索からの集客を主としていたメディアには大変な転換点を迫ることとなりました。

ただし、それが決してSEO対策や口コミサイトが時代遅れになったということではありません。

SNSからの集客に特化したメディアは大きな壁にぶつかり、検索の果たしていた役割について大いに考えさせられることになるからです。

それについては、長くなるのでまた別の機会でお話しましょう。

4.求められる第3の価値とコンテンツマーケティング

ユーザー側ではなくクライアント側への対策

コンテンツマーケティングの図これからのコンテンツ、いわゆるコンテンツマーケティングされたコンテンツは、SEO対策をしつつ、かつSNSで拡散されるコンテンツであることが必要であることは先述のとおりです。

ですが、この集客(SEO対策、SNS対策)についての進化の裏側で、もう一つの大きな進化が起こっていました。

それがネイティブアドの発生です。

ネイティブアドとは端的に言えば雑誌でいうところの記事広告であり、タイアップ広告のようなものです。つまり自社のコンテンツであるかのように見せた、または自社のコンテンツとして組み込まれたWEB広告を指します。

ネイティブアドは今や様々な形に進化しており、一概にネイティブアドと呼んでもその種類は多岐にわたります。

ネイティブアド詳細についてはwikipediaやIT用語サイトなどをご確認頂ければ幸いです。

 

これが、キュレーションサイトの台頭で一気に流行りました。

元々有るには有ったのですが、大手WEBメディアなどが独自にやっている状況で、個人がネイティブアドを入れる状況までには至っていなかったのです。

というのも、それまでのWEBメディアは大手がライターを大量に抱えて、各社が自力で記事を執筆するという多大なる労力が必要とされており、大変な維持コストが掛かるものでした。

そして、その参入障壁の高さから大多数の人はメディアを持つことを諦めていたのです。

その裏で自動生成コンテンツのSEOサイトは常にGoogleのロジックと戦い続け、スパムサイトとして独自の進化を辿るのですが、それはまた別途お話します。

 

しかし、NAVERに代表されるキュレーションサイトというメディアの形式は、文章や画像を他サイトから引用してくることで、コンテンツを0から生成しなくて良い分、維持コストを低く抑えることが出来、累損一掃まで合計数十万〜数百万円程度で収まる程度まで気軽に作れるようになっていったのです。

そして、それが先述のキュレーションサイトの大流行へと繋がっていきました。

このキュレーションサイトの大流行は急速に収束していき、それが昨今のオウンドメディアとコンテンツマーケティングの流行に移行していくのです。

これはSEO、そしてコンテンツマーケティングの側面から考えると自明の理です。

キュレーションサイトは、そのサイト特性上、致命的な構造的問題が有りました。これは別途お話します。

 

キュレーションサイトの流行と共にして、各社が独自コンテンツとして制作していた記事広告やタイアップ広告が、ネイティブアドと名前を変え広告代理店各社から配信され、それらのキュレーションサイトで掲載されていきました。

しかし、ネイティブアドの市場に占める存在感がここまで大きくなったのは、それが当時圧倒的なCVR(購入率、成約率)を誇ったからであり、広告効果がとても高かったからです。

私もその当時、ネイティブアドの効果に驚き、各社のネイティブアドを次々と試していったのを覚えています。

ネイティブアドに関する詳細な歴史は別途記載するとして、ネイティブアドの流行はコンテンツに、それまでの集客とは別の新たな価値を生み出していきました。

そう「CV」(コンバージョン、購入、成約、申し込みなど)です。

つまりコンテンツマーケティングとは

この「CV」という価値の出現を以てコンテンツはSEO対策、SNS対策、CVという3つの価値を求められるようになりました。

そして、これらを踏まえたコンテンツを制作すること、それが「コンテンツマーケティング」と呼ばれるようになったのです。コンテンツマーケティング図

勿論、今後もコンテンツに求められる価値は増えていくでしょう。

そして、増えた領域をコンテンツマーケティングという言葉はカバーし続けると思います。

しかし、もし今「いやあ、今の時代はコンテンツマーケティングですよ」の文脈でいうところの「コンテンツマーケティング」とは何かと問われれば。
それは即ち

「集客(SEO、SNS)とCV達成を兼ね備えたコンテンツを制作すること」

であるといえます。

これは弊社の考えるところのコンテンツマーケティングであり、wikipediaやIT用語辞典に書いてあるコンテンツマーケティングや他社が考えるコンテンツマーケティングと異なる可能性は大いにあります。

あくまで弊社の色眼鏡から見た一般論であり、弊社がコンテンツマーケティングとどう向き合うかという姿勢として捉えて頂ければ幸いです。

5.3つの価値を揃えたコンテンツとは

コンテンツマーケティングされたコンテンツ

図8
前項までで、コンテンツは3つの価値を生み出す必要がある旨を記載しましたが、それが容易にはいかないことはお分かりになるでしょう。

そもそも、「SEO対策」と「SNS対策」の両立が難しい中で更に「CV」を生み出すという離れ業は中々どうして出来ることではありません。

しかし、コンテンツマーケティングとは何かを語る本記事はその3つの要素を含めて制作を行っています。

では、いったいどうやって3つの要素を成立させたかについて、その詳細を記載します。

第1の要素「SEO」

まず1つ目、SEO対策についてです。

本記事は他者のコピペや言い換えではない完全なオリジナルの文章を執筆しています。

ここまで、ご覧になられている方は分かると思いますが、100%筆者自身が経験してきたWEBメディア業界内での一連の流れを元に個人の考えが書かれています。

また、ここに書いてある内容や言葉は専門性が高く、その切り口に独自性が高いです。個人の考えなので独自性は必然的に高くなります。それ以外にも詳細は控えますが本記事内ではSEO対策を実施しております。

そして何より、ここまでの長文を辛抱強くご覧頂いている皆様にはSEO対策に於ける「量」の概念も十二分に伝わっているのではないでしょうか。

第2の要素「SNS」

次にSNS対策についてです。

SNS対策については、もう良い記事を書くということ以上は無いかと思い、全身全霊を掛けて本記事については執筆しました。
本記事の「質」については皆様の厳しい判断と真摯なご指摘によって決定頂ければ幸いです。

また、もしも本記事を読んで少しでも何か得るものが有った、または共感出来る部分があるようであれば是非本記事をSNSで共有して頂ければ幸いです。

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第3の要素「CV」

最後にCVについてです。

本記事内では特に何も販売を行っておりませんので、CVが存在していません。

ただし、しいて言うとしたら、ここまでの長い文章を読んで頂けたことがCVになるのではないかと思っております。

弊社はWediaという会社です。Wediaはwebという言葉とmediaという言葉を足した造語であり、Webメディアに特化した会社でありたいという思いから名前が出来ています。

今後も記事の更新やその他マーケティングについてなどWebメディアにまつわる情報を発信していきます。

最後まで長文をお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。