インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングという言葉があります。
ここ数年インバウンドマーケティングという言葉ピックアップされ、マーケティングの新しい側面として強調されていますが、その実つまりインバウンドマーケティングとは何かについて実地経験がある人は多くないでしょう。
今回は、インバウンドマーケティングの概念をアウトバウンドマーケティングに絡めて説明していこうと思います。
ユーザーと広告主のコミュニケーションの種類
ユーザーと広告主のコミュニケーション方法は大別して二つあります。
①広告主からユーザーへのアプローチ
②ユーザーから広告主のアプローチ
端的に言えば①がアウトバウンドマーケティングで②がインバウンドマケーティングに該当します。
そして既存のいわゆる「広告」という概念は殆どが①に該当します。
アウトバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングという概念が出てくる前の広告は、テレビCMやメールマガジン、Facebook広告やインスタ広告など基本的には広告主側からのアプローチによってユーザーとの接点を持っており、ユーザー側が望む望まないにせよ表示されるものでした。
この「望む、望まないにせよ」というのが重要なポイントで、皆さんが「広告」と言ったときに抵抗感があるのもここに起因しています。
テレビCMを早送りする、というのは広告の悪い側面がピックアップされた顕著な例です。
こういった①のような広告主側から半ば強制的に広告が表示される状態となることがある広告をPUSH型広告といいます。
このPUSH型広告は得てしてユーザーから嫌われがちです。
ただ、広告主側もこのPUSH型広告を洗練しようとしており、PUSH型広告が「望む、望まないにせよ」という状態ではなく、出来る限り「望む」状態の時に表示させるということを実現するよう日々工夫しています。
と、ここまでの話でアウトバウンドマーケティングについては概要をご理解頂けたと思います。
ここまでは、いわゆる「広告」であり、既存の概念です。
ではインバウンドマーケティングとはなんなのでしょうか?
インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングとはアウトバウンドマーケティングと逆で、ユーザーから広告主へのコミュニケーションの動きに対して行われるマーケティング手法です。
広告主側からするとインバウンドの方が望ましいのは自明の理であり、ユーザーとしても自分が望んで取りに行っている情報の方が望ましいのは間違いありません。
先ほどのPUSH型広告から考えると、ユーザーが広告主に進んでアプローチしてくるなんて美味しい話があるわけないだろと思われるかもしれません。
しかし、実際にユーザーから広告主に飛び込んでくることは少なくありません。
例えば歯が痛くなった時に歯医者をGoogleで探して、その歯医者に行ったことはありませんか?
それはまさに自身が進んで広告主のところへアプローチしていることになります。
インバウンドマーケティングは、そういったユーザーからのアプローチを待ち受けてユーザーに適切にアプローチするマーケティング手法です。
そしてインバウンドマーケティングで用いられる広告をPULL型広告といいます。
アウトバウンドマーケティングで広告主からユーザーへの広告がPUSH型広告なので、その逆にユーザーから広告主へと遡っていく広告だと思って頂ければ理解が早いでしょう。
以下に歯医者を事例としてインバウンドマーケティングとPULL型広告の事例についてまとめたので参考にして頂ければと思います。
そしてインバウンドマーケティングの浸透によって新たにサイト内コンテンツがより重要になってくることになります。
ユーザーを待ち受けて、来たユーザーを適切に迎え入れるコンテンツ。
そういった新しいコンテンツの需要がコンテンツマーケティングへと繋がっていきます。
コンテンツマーケティングについては以下に詳細をまとめています。
Webマーケティングは時代の変遷に合わせて次々と新しい手法が生み出され続けますが、その全ては繋がっています。
全てを把握することは難しいですが、Webマーケティングの変遷を辿ることは理解の助けになるでしょう。